忌引きとは?正しい意味・日数・マナーをわかりやすく解説

忌引きとは 

忌引き(きびき)とは、近親者の死去に際して喪に服し、通夜や葬儀への参列、関連する手続きを行うために取得する休暇を指します。多くの企業や学校では「忌引休暇」として制度化されており、配偶者・親・子・祖父母・兄弟姉妹など三親等以内の親族が対象となるのが一般的です。

 

ただし、これは法律上の義務ではなく、就業規則や校則によって内容が異なります。制度が設けられていない場合は年次有給休暇の利用や欠勤扱いとなることもあるため、事前に所属先の規定を確認し、必要に応じて人事担当者や教職員に相談することが大切です。

忌引き休暇の制度とは?

忌引き休暇とは、身内の不幸により仕事や学校を休む際に認められる特別な休暇ですが、その制度は法律で一律に定められているわけではありません。ここでは、忌引き休暇の制度の基本や就業規則での違い、公務員や非正規雇用における扱いなどについて解説します。

忌引き休暇は法律上の義務ではなく「特別休暇」扱い

忌引き休暇は、親族の不幸に際して葬儀や通夜への参列、手続き対応などを目的に取得されるものですが、労働基準法などで定められた「法定休暇」には該当しません。そのため、企業が任意で設ける「特別休暇(法定外休暇)」として扱われています。

 

制度の有無や対象となる親族の範囲、取得可能な日数、有給か無給かといった取り扱いは、すべて就業規則によって異なります。就業規則に定めがない場合には、年次有給休暇を利用するか、欠勤扱いとされることもあるでしょう。このように、忌引き休暇の内容は会社ごとに大きく異なるため、事前に勤務先の規定を確認することが重要です。

企業や学校の就業規則・校則によって異なる

忌引き休暇は、法律で取得が義務づけられているものではなく、企業や学校が任意に定める「特別休暇(法定外休暇)」に該当します。このため、制度の有無や休暇日数、対象となる親族の範囲、さらに有給か無給かといった扱いは、それぞれの就業規則や校則により異なります。

 

たとえば、配偶者や親の死亡時には5〜7日間の休暇が設けられている一方で、兄弟姉妹や祖父母の場合は1〜3日に限定されることがあります。休暇の起算日や土日祝日の取り扱いも統一されておらず、事前に内容を確認しておくことが重要です。

「慶弔休暇」として慶事(結婚)と弔事(忌引き)を含むことも多い

忌引き休暇は、親族の不幸など弔事の際に取得できる特別休暇で、多くの企業では「慶弔休暇」という制度の一部として位置づけられています。慶弔休暇とは、結婚や出産といった慶事と、葬儀などの弔事の両方を対象とする休暇制度です。これは法定ではなく、各企業や学校が就業規則・校則で任意に定めているため、制度の有無や内容、日数、有給か無給かといった点は勤務先によって異なります。

 

近年は、事実婚や多様な家族関係の広がりを背景に、対象範囲を見直す動きもみられます。忌引き休暇を申請する際には、まず自分の所属先の慶弔休暇制度を確認しておくことが重要です。

公務員の場合は有給扱いが一般的

公務員の忌引き休暇は「特別休暇」として定められており、年次有給休暇とは別枠で取得できます。給与が減額されることはなく、有給として扱われるのが一般的です。国家公務員については人事院規則に基づき、続柄ごとに休暇日数が明記されています。

 

たとえば、配偶者や父母の場合は7日間、祖父母や兄弟姉妹は3日間が目安です。地方公務員は自治体ごとに規定が異なるものの、多くは国家公務員の基準に準じています。

パート・派遣も「同一労働同一賃金」で付与される傾向

近年は「同一労働同一賃金」の制度導入により、パートや派遣社員などの非正規労働者にも、正社員と同様に忌引き休暇を付与する動きが広がっています。厚生労働省のガイドラインでは、業務内容や責任が同じであれば、特別休暇に関しても不合理な待遇差を設けるべきではないとされています。そのため、正社員だけが忌引き休暇を取得できる制度は、適切でないと判断される場合もあるのです。

 

ただし、休暇の有無や日数、有給か無給かといった具体的な条件は雇用形態や契約内容によって異なります。派遣社員であれば派遣元、パートや契約社員であれば直接の雇用主の規定を確認することが重要です。

 

参考:同一労働同一賃金ガイドライン|厚生労働省

忌引きの対象範囲と日数の目安

身内に不幸があった際、どの親族までが忌引きの対象となるのか、何日程度の休暇が認められるのかは、多くの人にとって気になるポイントです。ここでは、一般的な忌引きの対象範囲と続柄別の休暇日数の目安について解説します。

​​何親等までが対象?

忌引き休暇の対象となる親族の範囲は、企業や学校ごとに異なりますが、一般的には「3親等まで」とされることが多い状況です。配偶者・親・子ども(1親等)、兄弟姉妹・祖父母・孫(2親等)、叔父・叔母・甥・姪・曾祖父母(3親等)が該当する続柄といえます。

 

ただし、対象範囲を法律が定めているわけではなく、2親等までに限定する規定もみられます。また、配偶者側の親族を含むかどうかは職場によって扱いが異なるため、自身のケースがどこまで認められるのか判断には規程の確認が欠かせません。

続柄別の一般的な休暇日数

忌引き休暇の日数は、故人との関係性によって大きく異なります。配偶者の場合は最長とされることが多く、一般的には10日程度が目安とされています。父母や子どもについては5〜7日、祖父母や兄弟姉妹には3日程度を付与する例が一般的です。また、配偶者の父母も同様に3日程度とする企業が多く見受けられます。

 

一方で、叔父・叔母・甥・姪、あるいは配偶者の祖父母など3親等の親族については、1日程度にとどまるか、そもそも対象外とする企業も存在します。さらに、喪主を務める場合や同居していた親族の逝去など、特別な事情がある際には、通常より長く認められる可能性もあります。ただし、これらはあくまで一般的な目安にすぎません。

忌引きと有給休暇の違い

忌引き休暇と有給休暇には、制度上の根拠や取得目的などに明確な違いがあります。有給休暇は労働基準法に基づき、理由を問わず取得できる法定の権利です。一方、忌引き休暇は親族の死去に伴う弔事に限定され、企業や学校が任意で設ける特別休暇とされています。以下の表に、両者の主な違いを整理しています。

 

項目 忌引き休暇 有給休暇
制度の根拠 法律に基づかない(任意制度) 労働基準法に基づく法定休暇
取得理由 親族の死去など弔事に限定 自由(私用・旅行・通院など)
給与の扱い 有給か無給かは企業次第 原則として有給(給与支給)
取得日数 続柄に応じて数日(例:配偶者で7日など) 年間付与日数あり(例:年10日〜)
就業規則での扱い 規定の有無や対象範囲に差がある 原則として全労働者に付与

 

忌引き休暇を取得する際は、自身の就業規則を確認することが重要です。

会社・学校への忌引きの申請方法と連絡マナー

身内に不幸があった際、会社や学校に忌引きを申し出る必要がありますが、突然のことで戸惑う方も多いでしょう。ここでは、会社・学校への忌引きの申請方法と連絡マナーについて解説します。

会社への申請方法と連絡マナー

会社に忌引き休暇を申請する際は、身内の不幸が判明した時点で速やかに上司へ連絡することが大切です。初回は電話または口頭で行い、以下のような情報を簡潔に伝えます。

 

  • 故人との続柄と訃報の日時
  • 休暇の期間と葬儀の予定
  • 業務引き継ぎや緊急連絡先

 

その後は、会社の規定に従ってメールや社内システムで正式に申請し、記録を残します。企業によっては、葬儀案内状や死亡診断書の提出を求められることもあるため、事前に必要書類を確認しておくと安心です。メール連絡時は「忌引き休暇の件」と件名に明記し、礼儀を守った表現で要点をまとめましょう。

学校への忌引きの申請方法と連絡マナー

学校に忌引きを申請する際は、できるだけ早めに担任や学年主任へ電話で連絡するのが適切です。連絡時には、故人との続柄、欠席予定日、通夜や葬儀の日程と場所、そして保護者の連絡先を明確に伝えましょう。連絡後は、学校指定の連絡帳や欠席届、またはメールを通じて正式な手続きを行います。

 

その際は「ご迷惑をおかけいたしますが」「ご理解のほどよろしくお願いいたします」といった丁寧な表現を用いると印象が良くなります。なお、忌引きの取り扱いや必要書類の有無、認められる日数は学校によって異なるため、事前に校則を確認することが欠かせません。

忌引き期間中・明けに守るべきマナー

忌引き休暇中は故人を悼む大切な時間ですが、休暇の取得だけでなく、その期間中や復帰後のマナーにも配慮が必要です。ここでは、忌引き中の過ごし方や職場復帰時の挨拶、香典返しの基本マナーについて紹介します。

休暇中の過ごし方

忌引き休暇中は、葬儀への参列や親族との対応など、故人との最後の時間を静かに過ごすことが大切です。そのため、旅行や娯楽、派手な外出は避け、慎みある行動を心がけましょう。また、忌中や喪中の慣習に配慮し、祝い事や慶事への参加も控えるのが望ましいとされています。職場や学校への連絡は、訃報が判明した段階で速やかに行い、無断欠勤とならないよう注意が必要です。

 

さらに、家庭の宗教や地域のしきたりによっては神棚封じや法要の準備が求められることもあります。気力や体力を消耗しやすい時期でもあるため、無理をせず、必要に応じて専門機関へ相談するのも1つの方法です。

職場復帰時の挨拶

忌引き休暇後に職場へ復帰する際は、まず上司や同僚に丁寧な挨拶を行うことが大切です。葬儀が無事に終わった旨を伝えるとともに、休暇中に業務を引き継いでくれた方々への感謝と、迷惑をかけたことへのお詫びを述べましょう。挨拶は簡潔に、「本日より復帰いたします。ご迷惑をおかけしましたが、よろしくお願いいたします」といった言葉で気持ちを伝えるのが効果的です。

 

香典や供花をいただいていた場合は、感謝の意を添えると丁寧な印象を与えます。また、職場の慣習によっては菓子折りを用意すると、より誠意が伝わります。

香典返し・菓子折りのマナー

忌引き明けに職場へ復帰する際は、香典返しや菓子折りを用意すると、葬儀で支えてくれた方々へ丁寧に感謝を伝えることができます。香典返しは初出社日に挨拶とともに手渡すのが基本です。

 

内容は日持ちし、個包装で配りやすい菓子類が適しています。会社からの弔慰金は返礼不要の場合もあるため、名義を確認することが大切です。

忌引き制度がない場合の対処法

会社や学校の就業規則に忌引き制度が明記されていない場合、急な不幸にどう対応すべきか悩む人も少なくありません。ここでは忌引き制度がない場合の具体的な対処法について解説します。

就業規則を確認し、忌引き制度の有無を把握する

忌引き休暇は、法律で取得が義務づけられているものではなく、企業が独自に設ける特別休暇として扱われています。そのため、すべての職場に制度が存在するとは限らず、まずは就業規則の内容を確認することが欠かせません。

 

もし規定が見当たらない場合には、年次有給休暇の活用や、上司との相談を通じて柔軟に対応するのが現実的です。また、制度が設けられていたとしても、対象となる親族の範囲や取得日数、有給か無給かの区分、証明書の提出要否などは会社によって異なります。

制度がない場合は年次有給休暇を活用する

会社に忌引き制度が設けられていない場合でも、身内に不幸があった際には何らかの形で休暇を取得する必要があります。このようなときには、年次有給休暇を利用する方法が現実的です。有給休暇は労働基準法に基づく法定の制度であり、取得理由に関係なく申請が可能なため、忌引きの代替手段として用いられることがあります。通夜や葬儀への出席、遺族への対応など急を要する事情にも柔軟に対応できるのが特長です。

 

ただし、企業によっては有給休暇の取得に際して事前申請を求めるケースもあり、急な取得が認められない場合もあります。また、残日数が不足していれば申請自体が難しくなります。いざというときに困らないよう、平時から制度の概要や自分の有給残数を確認しておくことが大切です。

有給休暇が足りない場合は欠勤または特別休暇を申請する

有給休暇が残っていない場合、忌引きによる休暇は欠勤として取り扱われる可能性があります。ただし、企業によっては「特別休暇」や「慶弔休暇」といった独自の制度を設けていることもあるため、就業規則や社内の取り決めを事前に確認しておくことが大切です。

 

制度が存在しない場合は、上司や人事担当者に事情を丁寧に説明し、無給での休暇を申し出るのが一般的とされています。遠方での葬儀や手続きなどに日数を要する場合は、有給と無給を組み合わせて調整することも検討しましょう。

上司・人事へ事情を説明し柔軟な対応を相談する

会社に忌引き制度が設けられていない場合でも、まずは上司や人事に対して状況を丁寧に説明し、柔軟な対応の可否を相談することが重要です。身内の不幸は予期せず起こるため、可能な限り早めに連絡し、故人との関係性や葬儀の日程、参列の必要性などを具体的に伝えると理解を得やすくなります。

 

制度が存在しなくても、有給休暇や振替休日、半休などの代替措置を提案することで、会社側も対応を検討しやすくなります。過去の社員の対応事例を把握しておくと、相談時の説得力も増すでしょう。

パート・派遣社員は派遣元や雇用契約の規定を確認する

パートや派遣社員が身内の不幸で休暇を取る場合は、まず雇用契約書や就業規則の内容を確認する必要があります。忌引き休暇(慶弔休暇)は法律で定められたものではなく、各企業が任意に設ける制度です。そのため、正社員以外では制度が設けられていないケースもあります。

 

特に派遣社員は、勤務先ではなく派遣元との契約によって休暇の条件が異なります。有給か無給か、何日取得できるかといった点も派遣元が基準となるため、事前の確認が欠かせません。制度がない場合は、有給休暇の取得や欠勤としての対応が検討されます。

今後のために職場の慶弔規定を整備・確認しておく

職場に忌引き休暇の制度が設けられていない場合は、今後に備えて就業規則や慶弔休暇の取り扱いを確認・整備しておくことが大切です。忌引き休暇は法的に義務づけられたものではなく、各企業の裁量で設けられているのが実情です。

 

そのため、制度が不明確なままだと、突然の不幸に際して休暇取得をめぐる混乱が生じる可能性があります。まずは制度の有無や対象範囲、日数、有給か無給かなどを確認し、未整備であれば労使での整備も視野に入れるとよいでしょう。

忌引きを正しく理解し、落ち着いて対応しよう

忌引き休暇は、家族や親族の死去に際して心身を整えるための大切な時間です。しかしその取得には、職場や学校の就業規則・校則を理解し、正しい申請手順を踏む必要があります。制度の有無や対象範囲、日数、有給か無給かといった点は組織ごとに異なり、特に非正規雇用や学生の場合には事前確認が欠かせません。

 

また、忌引き中の行動や復帰時の挨拶・香典返しなどのマナーにも配慮することで、周囲との円滑な関係を保てます。もし制度がない場合でも、有給休暇の活用や柔軟な相談を通じて適切に対応できます。突然の事態にも冷静に対応できるよう、日頃から忌引き制度について理解を深め、備えておきましょう。

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